女性のデリケートゾーンは身体の中でも繊細な部位。でも、適切なケア方法や製品についての情報が不足していることもあります。今回の記事では、デリケートゾーンの健康を守るための基本的なケア方法について紹介します。
デリケートゾーンの悩み
デリケートゾーンの悩みは多くの女性が抱えているものの、相談する相手に迷ったり、話題にすることに対して悩むことも多いのではないでしょうか。また、適切なケア方法についてわからない人が多いことも事実です。
悩みの多くは、生理のときの不快感や夏に感じるムレ・ニオイなどですが、年齢を重ねていくと若いころとは違う悩みも生じることも少なくありません。また、構造上、お手入れがしづらかったり、トラブルに気づきにくい部位でもあります。
デリケートゾーンの洗い方
デリケートゾーンのケアは、洗うことと保湿が大事。皮膚が薄く敏感な部位なので、間違ったケアをしていると乾燥しやすくなあり、かゆみや黒ずみの原因になってしまいます。膣にはもともと自浄作用があり、外からの雑菌を防ぐために膣内を酸性に保つ作用があります。かゆみやニオイが気になるからといって、必要以上に洗ってしまうと自浄作用が働かなくなり陰部のトラブルにつながります。
まぶたよりも薄いといわれるデリケートゾーンは、専用のボディソープがおすすめ。お顔を洗うときに洗顔ソープを使用するように、デリケートゾーンにも肌に優しい成分の専用ボディソープを使いましょう。市販のボディソープの中には強い洗浄力のものもあり、デリケートゾーンに使用すると刺激が強く感じたりすることも。普段より肌が敏感になる生理中だけ専用のものを使用するのもおすすめです。
必要以上に洗ったりこすってしまうと、乾燥の原因やかゆみ・炎症をひきおこすことも。
ソープをしっかり泡立てて、泡のちからで洗うよう外陰部を洗いましょう。泡立てるのが苦手な人は、泡タイプの専用ソープを選びましょう。女性器にはひだがあり、垢がたまりやすいので、ひだの間も優しく洗いましょう。膣内は自浄作用があるため、奥まで洗う必要はありません。洗った後はタオルでやさしく水分をふき取りましょう。
生理の終わりかけなどに使う膣洗浄用ビデは、デリケートゾーンの不快感をやわらげたりできますが、使用頻度や使用方法を間違えるとトラブルに発展することもあるので、使用方法などをしっかり確認してから使用するようにしましょう。
デリケートゾーンは年齢とともに乾燥しやすくなってきます。洗った後にツッパリ感などの乾燥を感じるようなら、専用クリームなどで保湿をしましょう。乾燥は色素沈着(黒ずみ)の原因ともなるので、年齢に限らず保湿ケアの習慣化もおすすめです。
下着の選び方
肌に合わない素材や身体のサイズに合わない下着をつけていることで、肌荒れやトラブルをひきおこすこともあります。日本人女性の多くはウエストサイズに対してヒップが張っている人が多いといわれています。しかし、服のサイズでショーツのサイズを選ぶ人も多く、ショーツのサイズ感に意識を向けている人は少ないかもしれません。
小さいサイズのショーツをつけていると、ゴムなどの締め付けで血行が悪くなったり、こすれなどでかゆみが生じてしまいます。また、通気性が悪くなってしまうことでニオイやムレの原因にも。定期的にショーツのサイズの見直しをしましょう。
素材も通気性のいいものが望ましいです。特に肌に触れる部分(デリケートゾーン・鼠径部)は、綿やシルクなどの天然素材がおすすめです。化学繊維は、吸水性や速乾性が悪く雑菌が繁殖しやすい環境に。夏場は特に気をつけないと、ニオイやムレ、かゆみをひきおこす原因になります。
最近は吸水ショーツの種類も増えてきました。ナプキンやおりものシートなどでかぶれやすい肌の人は普段のショーツと使い分けてもいいでしょう。妊娠・出産や加齢などからくる尿漏れで悩んでる人にもおすすめです。
生活習慣の見直し
ニオイに悩んでる人は、食事内容や運動習慣も見直してみましょう。
一般的に肉や油が多い食事は体臭が強くなるといわれています。また、野菜の中にはニンニクやニラなどの素材自体の香りが強いものも控えた方がいいともいわれます。お肉を食べるときには、善玉菌の活動を助ける炭水化物と一緒に摂取することで、いやなニオイのもととなる有害物質の発生を防ぐことができます。
身体を冷やす食べ物は多くとると、免疫力の低下から膣内の雑菌が繁殖しやすい環境にもなってしまうことも。アイスクリームや冷たい飲み物などはほどほどにしましょう。ダイエットなどで極端に食事制限をすることもニオイの原因になるので避けましょう。
食習慣の見直しだけでななく、運動などで汗をかく習慣もニオイ対策に効果的です。運動不足などで普段から汗をかかないと、ニオイの原因を含んだ汗が出やすくなります。夏はもちろん、冬は重ね着などの影響でデリケートゾーンも蒸れやすくなります。
普段、汗をかく習慣がない人はウォーキングなどの有酸素運動に2-3週間取り組むことで汗腺が鍛えられます。汗腺が鍛えられると汗のかきやすい身体になり、本来の無臭の汗となります。運動をするのが苦手な人は、お風呂などで身体をあたためて発汗するのもおすすめです。
フェムケアが注目されています
この数年で、女性の体の悩みをサポートする商品もサービスも増えてきました。海外に比べると日本の市場は発展途上ではありますが、フェムケア・フェムテックに対して様々な企業が取り組むようになっています。日本では言葉の認知度もまだ低い状況ですが、ひとりでも多くの女性がフェムテック・フェムケアを通じて自身の身体に向き合い、悩みから解放されることを祈っています。